投稿者 笹崎辰裕
「あなたが色んなことを大切にしたいのは分かるの。でもね、今しかあの子達にしてあげられない事があることを分かってほしい」
ある日カミサンが私に言ったことである。
正面から私を見据えて、その言葉には淀みも迷いもなかった。たまに思い出すたびに武士の妻とはこういうものではないかと想像する。私は武士だといっているのではない。普通の技術屋さんです。
この毅然とした態度はいったいいつもどこから来るのかと不思議でたまらない。いつもしゃっきりしているわけではない。ちなみに今日も帰ってきたら二人の子供に挟まれてすかーと寝ていた。
テーブルの上にはおかずとメモ書き。
「あの子にオムツつけるのよろしく」
どうやら力尽きたらしい。事務所の二階で遅くまで長男がごろごろ何かを転がしていた音が聞こえたから、限界まで遊んでいた姿が目に浮かぶ。ついでに相当駄々をこねたに違いない。
おかずをチンして、ごはんをもって西原さんの漫画を読みながら夕飯をとる。母親の毎日を綴ったそれは、傍から見るととても悪戦苦闘しているように見えるのだけど、事実そうなのだろうけど、それでもとてもいとおしさにあふれている・・・・・・・ような気がする。
「大丈夫。大事なものはみんな持っている」
この一言がどこで使われているか、本屋さんで探してほしい。ちなみに「毎日お母さん」の「入学編」。
買って読んでくださいな。「カニ母編」が一巻です。今度「背アブラ編」買ってこよう。
夕食後お米を研ぎつつ、ブログに何を書こうかと考えつつ、やはり一生カミサンには勝てないんだろうなと思った。