投稿者 笹崎辰裕
うちの中で育てている植物でパキラがある。名前はパッキー。ひねりも何もあったもんじゃない。それでも妻の次に付き合いが長い。
妻の姉からもらったもので最初は高さ30センチくらいだった。水をやりすぎると腐ると言うことで気をつけながら育てたつもりだった。
何が原因かよくわからないが、一時期下のほうから葉が落ちていった。
どうすればいいのか途方にくれたので、花屋に行ってどうすればいいか聞いてみた。
その花屋さんで買ったのではないので気が引けたのだが、とりあえず何かしらの方法があるはずと期待をした。
「それもう腐ってますよ」
何の対応策もなく帰ってきたのはその一言だ。
鉢を持っていったわけではない。言葉から花に対する愛情も同情も感じられない。そして私を見るわけでもなかった。
以前はその店から花束やら何やら買っていたのだが、その後一本も買うのを止めた。
今日友人が結婚式の招待状を持ってきてくれた。
どこか照れくさそうな様子が幸せそうでうれしかった。
携帯で撮った写真はないのかと聞くとないと言う。だか近々つれてきてくれると約束した。
彼女がいる。そんなそぶりも感じさせずに来たので、いったいいつからの付き合いかと聞くともう10年以上の付き合いらしい。
何かあれば連絡をする。そんな仲だったそうだ。
やはり私は鈍いようだ。
うちのパキラは今、私より背が高くなっている。
大きな葉をつけ、まだ大きくなりそうだ。
お互いに成長するためには、冷静に相手の全部を見れるくらいの距離が必要なのではないかと、パキラを見つつ思った。